一般の方たちが、挨拶をする場面としては、学校関係の諸行事が多いと思われます。
とくにPTAは、身近なものですから、挨拶のチャンスも多いことでしょう。
こうした学校関係での諸行事においては、むずかしい引用句等も必要ではなく、ありのままに心に浮かんできたことばを話せば良いのです。
自分の子どものことを考え、すなおな気持で話すようにすれば、聞く人々も同じ立場ですから、自然に共感を呼ぶことは当然のはずです。
挨拶は、心に共感を呼ぶことができれば成功といっていいでしょう。
下手にうまくやろうと考えるよりも、率直な心情を吐露することがいちばん良いのです。
トツ弁でも方言でも結構です。
むしろそのほうが共感を呼びおこすものです。
言語心理学者の説によりますと、日本人はタテマエをいう時は標準語、ホンネをいう時は方言を用いるとも申しますし、また、漢字や外国語を多く用いるのはタテマエ、ヨソユキであって、やまとことばを用いるとホンネ、親密さを持った時といいますから、土地のことばは大いに使うべきです。
ですから、挨拶の文例も、その土地柄に応じてアレンジし、変化させられるといいのです。
どうぞ方言をまじえ、ぐつとくだけた口調で御挨拶下さい。
方言は地方言で、長い歴史のもとにはぐくまれたことばですから、感情や気持を表現することばはきわめて多く、微妙な心のヒダ、ニュアンスを表現する、とてもすぐれたことばがたくさんあるのです。
したがってホンネをいうのに適しているのです。
方言はとてもすぐれたことばなのです。
再認識いたしましょう。
学校行事での教師側の挨拶は、もともと話をするプロですから、とくに心得も必要ないのですが、つい子供に話すような口調になりがちな点を戒め、とくに教育理念を明示してほしいと思います。
西山泰平(マナー講師)